償いは、雪の日。
夜の喧噪が一つ、また一つと消えて。
この街のリセットを告げる朝日が昇るまでのひと時。
それは俺の前に、突然現れた。
いつからか、俺の中に棲みついていた赤黒い罪悪感。
愛なのか、罰なのか。もう自分でもわからない。
見捨てることも、忘れることも、俺には許されない。
なのに、交差点のド真ん中。
真っ白な雪の上。
傷だらけになって堕ちていた、女。
――もしかしたら、やり直せるんじゃないかと思った。
男に酷く殴られ、泣きもせず、憎みもせず。
ただ、その女は俺に問う。
『あなたは私を助けられますか』
……ああ。
俺は、今度こそ、助けよう。
お前をもう傷つけない。
お前を誰にも傷つけさせない。
もう、壊さない。壊させやしない。
そうして迷うままに踏んだ雪。
その一歩は間違いなく、堕ちた過去の交差点を捉えていた。


