始まりは、雪の日。
ネオンの灯りが一つ、また一つと落ちていく。
夜が終わり、朝が始まるまでの、その狭間。
街から全ての色が消えたとき。
それは、俺の前に突然現れた。
「………」
いつも通りだった。
鳴り止まない電話。
勝手ばかり言うトチ狂った連中。
クソくだらねぇ揉め事。
俺は、試されていたのかもしれない。
だって、交差点のド真ん中。
真っ白な雪の上。
純白のワンピースを汚す、赤黒い血。
──やり直せるんじゃないかと思った。
こんな場所で、あんな姿で。
この穢れた手を、求めているように見えた。
……もう、壊さない。
そうして、迷うままに踏んだ雪。
あの一歩は間違いなく、
──……女の堕ちた、交差点へと続いていた。


