恋の終電列車

 次の火曜日。予定を合わせた私達は二人でご飯を食べに出掛けることになった。淀野さんは多忙で中々予定も合わず、それに加えてとても堅く真面目な人なので、帰ってくるメッセージもまるで作られた定型分のようだった。

 『じゃあ、火曜日の11時にA駅でいいですか⁇』

 どんな風にメッセージを送ったらいいか迷った私は結局つまらない何の装飾もないメッセージになってしまった…。

 『それで構いません。火曜日の11時に駅で待ち合わせましょう。』

 私よりも堅い定型分のようなメッセージにすこし驚いて笑ってしまった。今まで付き合った事がある人達とはタイプがまるでまで違うからだ。

 『宜しくお願いします。』とスタンプを送って淀野さんとのラインのやり取りは終了した。こんなに真面目で堅いタイプの人は今までにいなかったので、どうすればいいのかとすこし考えてしまう。
 
 何を着て行こうか⁇化粧や髪型はどうしようかなど、色々考えに考えた私は、結局家の中で一人ファッションショーを繰り広げ、やっと辿り着いた一着のワンピースに決定した。

 あれから私を襲ったバイクのひったくり男はバイクのナンバーをあらわれ、早々に逮捕されたと言う事だった。犯人逮捕に貢献したとして警察から感謝の電話がかかってきて、無事バイクのひったくり事件は幕を閉じた。

 でも、一人で夜道を歩く事は危険だと言う事で、近道であるあの道はもう通らないようにした。あの時の恐怖が残っていると言う事もあるが、一番は淀野さんに人通りの多い道を歩くように勧められたからだ。

 私は淀野さんの言いつけ通りもうあの道を通ることを止め、まだ怖さが消えたわけではいが、平和な日常を取り戻し、安心した生活を送っていた。