恋の終電列車

 帰り道、アパートまでの道のりを歩いていると、住宅街に差し掛かる一本道があった。少し人通りの少ない一本道は人通りが少ないと少し物騒に感じ、私も少し怖さを感じていた。
 
 数年前にひったくりに遭ったと言う人がいて、近くの交番のお巡りさんが良く巡回している。

 この日は人通りが全くなく、怖さすら感じてしまい、私は少し早足でその道を通り過ぎようとした。

 ブーンと後ろからバイクが通り、私に近づいたかと思うと、私の持っていたハンドバックをひったくろうと手を伸ばした。

 私は咄嗟にバックを盗られまいと抵抗する。でも、ひったくろうとする力は思いの外強く、私はそのままバックを持っていかれそうになった。

 「止めろ。警察だ。」

 私とバイクのひったくり男の間に割って入り、私を助けてくれたのは、まさかの淀野さんだった。淀野さんは私服を着ていて、今は勤務中ではなさそうだ。

 「ちっ。」と舌打ちして諦めたようにバイク男は諦めたように去って行った。私は怖くて恐ろしくてその場に座り込み、手が震えて止まらない。

 「松川さん。大丈夫ですか⁇怪我はないですか⁇」

 淀野さんが私の肩に触れ、私に優しく話しかけた。まだ手の震えが治らず、恐怖心と怖さが拭い去れない。

 「怪我は大丈夫です…。有難うございます。」

 震えた声で話す私の手に淀野さんが優しく触れた。ただそれだけなのに私の心は少し平静に戻り、恐怖心が少しずつ薄れていく…。

 「取り敢えず警察に行って被害届を出しましょう。後はここのパトロールを強化してもらったほうがいいかもしれません。」

 私に連れ添って、淀野さんは一緒に警察に連れ添ってくれた。最近バイクに乗ったフルフェイスのヘルメットの男に鞄やバックをひったくられるという事案が多数発生しており、警察も市民に警戒を促していると言うことだった。

 バイク男の特徴とバイクナンバーを去り際に淀野さんが見逃さずチェックしており、事件が解決しそうだと感謝された。

 警察で1時間ほど話を聞かれた後、私達は帰ることになった。