春の陽射しが降り注ぐ教室は、ひだまりのように暖かく、平和そのものだった。
「ねえ、次体育じゃん」
「自販行ってくるー!」
屈託のない笑い声を上げるクラスメイトたち。その眩しさに目を細めながら、私は自分の席でひっそりと息を潜めていた。
昨夜の、血と錆の匂いが充満した倉庫での記憶が、まだこびりついているような気がして、呼吸が浅くなる。

「オイ玲美、またボケッと外眺めてんのかよ」
乱暴な声と共に、隣の席の椅子をガタッと引いて座り込んできたのは、東條晴樹だった。
少し気崩した制服に、鋭い三白眼。いかにもヤンキーといった風貌で周囲から距離を置かれている彼だが、私にとっては数少ない――いや、たった一人の心休まる相手だった。
「……晴樹」
私が小さく安堵の息をつくと、晴樹は舌打ちをしながら、机の上に購買のパンと紙パックのジュースを放り投げた。
「ほらよ。ちゃんと飯食え。お前が少しでも痩せたりしてみろ、俺が若に殺されンだぞ。……マジでシャレになんねぇんだからな」
「ありがとう……。でも、晴樹が大袈裟なだけよ。私が学校で粗相をしないか、魁が監視させてるんでしょ」
「ねえ、次体育じゃん」
「自販行ってくるー!」
屈託のない笑い声を上げるクラスメイトたち。その眩しさに目を細めながら、私は自分の席でひっそりと息を潜めていた。
昨夜の、血と錆の匂いが充満した倉庫での記憶が、まだこびりついているような気がして、呼吸が浅くなる。

「オイ玲美、またボケッと外眺めてんのかよ」
乱暴な声と共に、隣の席の椅子をガタッと引いて座り込んできたのは、東條晴樹だった。
少し気崩した制服に、鋭い三白眼。いかにもヤンキーといった風貌で周囲から距離を置かれている彼だが、私にとっては数少ない――いや、たった一人の心休まる相手だった。
「……晴樹」
私が小さく安堵の息をつくと、晴樹は舌打ちをしながら、机の上に購買のパンと紙パックのジュースを放り投げた。
「ほらよ。ちゃんと飯食え。お前が少しでも痩せたりしてみろ、俺が若に殺されンだぞ。……マジでシャレになんねぇんだからな」
「ありがとう……。でも、晴樹が大袈裟なだけよ。私が学校で粗相をしないか、魁が監視させてるんでしょ」

