それを聞いて、沙紀と杏奈は「えぇ⁉」、「じゃあ遊ぶ時間減るじゃん⁉」等と騒ぎ始めた。すると、「ねぇ、由麻~マジどうしよ~」と、美華が教科書を読んでいる私の肩を掴んで揺さぶってきた。私は笑顔だけど困った表情で、「どうしようって…私には何も…」と答える。その時、「そうだ!」と沙紀が何か思いついたような表情で言った。美華が「何?」と不機嫌の表情のまま聞く。
「だったらさ、由麻が紙に答え書いて、それを美華にバレないように回すってのはどう?」思いがけない考えに、私は息を飲んだ。美華が再び聞く。
「どうやって回すの?あたしと由麻の席結構離れてんじゃん」
「うん!ほら、あたしの席って、由麻の斜め前じゃん?その隣が杏奈。それで、その斜め後ろが美華。そう考えれば回しやすくない⁉」
沙紀の話に、美華の表情は笑顔に変わり、「確かに!さすが沙紀!」と言って沙紀の腕に自分の腕を絡ませながら喜んだ。「良いじゃん、そうしようよ!」と杏奈も賛同する。私は流石に理解できなかった。今までみたいな宿題や係の仕事とかはバレずに済んでいるけど、テストの答えを教えて写すのは訳が違う。テストの答えを写すということは………。緊張が走り、不安が頭に満ちてくる。すると、「ねぇ!由麻、お願い!今回のテスト、写させて!」と美華が両手を合わせ、いつもの可愛い笑顔で必死に頼んできた。沙紀と杏奈も、「やってあげなよ由麻」、「うちら友達じゃん」等と美華の肩を持つ。私はその三人を見て、本気なんだと分かった。今までのような宿題は、先生とかにバレずに済んでいるけれど、でもテストを写すというのは、カンニングということになる。これまでのことは目を瞑っていたけれど、もし先生にバレたら、かなり怒られるのは火を見るより明らか。美華だけではなく、私達全員が共犯ということで指導を受けられる。当然、親にも連絡がいき、こっぴどく叱られることになる。
でもここで断ったりしたら。「嫌だ」とか「無理」とかを少しでも口にすると、いつもみたいに逆切れされたり、暫く話しかけてくれなくなったり…しかも今回は美華のピンチを助けるためのカンニングでもあるから、これをしなかったら仲間外れにされるかもしれない。仲間外れどころか、何かされるかもしれない。怖い、怖い……。心臓がどきどきと強く打ち付ける。私はそれでも声を振り絞って、「わ…分かった…。協力…する……」と話した。三人は嬉しそうにはしゃぎ、美華は、「じゃあ、皆絶対バレないようにね!由麻、最初に自分のテストやる前に、紙に答え書いて沙紀に回しておいてね!あたし書く時間なくなるから!」と言うと、三人はそれぞれ自分の席についていった。それと同時に、始業開始の鐘が鳴り、周りの皆も不平不満を口にしながら席に着き、渋々教科書を出し始めている。そんな中、私は緊張で震えている手を握り締めている。今更もう戻れない。やるしかない。バレないようにすればきっと大丈夫。きっと、大丈夫だ……。
男子達の予想通り、抜き打ちテストは開始された。
生徒達を見回っている先生を見計らいながら、私は答えを紙に書くタイミングを伺う。先生
「だったらさ、由麻が紙に答え書いて、それを美華にバレないように回すってのはどう?」思いがけない考えに、私は息を飲んだ。美華が再び聞く。
「どうやって回すの?あたしと由麻の席結構離れてんじゃん」
「うん!ほら、あたしの席って、由麻の斜め前じゃん?その隣が杏奈。それで、その斜め後ろが美華。そう考えれば回しやすくない⁉」
沙紀の話に、美華の表情は笑顔に変わり、「確かに!さすが沙紀!」と言って沙紀の腕に自分の腕を絡ませながら喜んだ。「良いじゃん、そうしようよ!」と杏奈も賛同する。私は流石に理解できなかった。今までみたいな宿題や係の仕事とかはバレずに済んでいるけど、テストの答えを教えて写すのは訳が違う。テストの答えを写すということは………。緊張が走り、不安が頭に満ちてくる。すると、「ねぇ!由麻、お願い!今回のテスト、写させて!」と美華が両手を合わせ、いつもの可愛い笑顔で必死に頼んできた。沙紀と杏奈も、「やってあげなよ由麻」、「うちら友達じゃん」等と美華の肩を持つ。私はその三人を見て、本気なんだと分かった。今までのような宿題は、先生とかにバレずに済んでいるけれど、でもテストを写すというのは、カンニングということになる。これまでのことは目を瞑っていたけれど、もし先生にバレたら、かなり怒られるのは火を見るより明らか。美華だけではなく、私達全員が共犯ということで指導を受けられる。当然、親にも連絡がいき、こっぴどく叱られることになる。
でもここで断ったりしたら。「嫌だ」とか「無理」とかを少しでも口にすると、いつもみたいに逆切れされたり、暫く話しかけてくれなくなったり…しかも今回は美華のピンチを助けるためのカンニングでもあるから、これをしなかったら仲間外れにされるかもしれない。仲間外れどころか、何かされるかもしれない。怖い、怖い……。心臓がどきどきと強く打ち付ける。私はそれでも声を振り絞って、「わ…分かった…。協力…する……」と話した。三人は嬉しそうにはしゃぎ、美華は、「じゃあ、皆絶対バレないようにね!由麻、最初に自分のテストやる前に、紙に答え書いて沙紀に回しておいてね!あたし書く時間なくなるから!」と言うと、三人はそれぞれ自分の席についていった。それと同時に、始業開始の鐘が鳴り、周りの皆も不平不満を口にしながら席に着き、渋々教科書を出し始めている。そんな中、私は緊張で震えている手を握り締めている。今更もう戻れない。やるしかない。バレないようにすればきっと大丈夫。きっと、大丈夫だ……。
男子達の予想通り、抜き打ちテストは開始された。
生徒達を見回っている先生を見計らいながら、私は答えを紙に書くタイミングを伺う。先生
