ラブレター

 登下校の道には古い墓がある。
 誰のものかは知らない。
 ひっそりと建てられた墓には何も供えられていない。
 ある日、僕はイタズラ心でラブレターを置いてみた。
「前から好きでした。付き合ってください」
 だいたいそんな内容である。
 すると目を離した瞬間にラブレターが消えた。
 墓の陰から、笑顔で覗く顔があった。
 その顔は「よろしくね」と言った。