思い切って病室をのぞいた。


個室の部屋は
まるでホテルのようだった。


  すごい病室

奥の部屋を覗き込むと
たくさんの医療機器に囲まれて
女性が眠っていた。


  この人がおかあさん?


芳樹に似た顔立ちのはっきりした人に見えた。


『佐川 春江』


  おかあさんと同じ年
  入院したのは、4年前…
  ずいぶん長く患ってるのね

じゃ4年前から
芳樹はひとりなのかしら・・・



ベットの脇には
小学生の芳樹と
小さな女の子の写真があった。


  これが、妹か・・・・



病室を出ようとした時
医者が入ってきた。



私は驚いた。


医者は
「どちらさま?」と聞いた。



「芳樹くんの友達の
松本といいます。」



「友達?
めずらしいな~
彼が友達をおかあさんに会わせるなんて」


「あの…おかあさん容体悪いんですか?」


医者は、優しく微笑んだ。
「大丈夫、僕が来たから
もう大丈夫だよ。」と言った。


「よかった…
彼来る間、震えていたから・・・」


「そうか・・・・」