雨上がりの約束

で。」

 「……。」

 「苦しくなったら、一人で抱え込まないで。」

 「……。」

 「そして……生きて。」

 結月は涙を流しながら、何度も頷いた。

 「……うん。」

 「約束。」

 「……約束。」

 湊は安心したように笑った。

 そして。

 「ありがとう。」

 その一言を残して――

 光の粒になり、空へ溶けていった。

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 数年後。

 雨の日。

 大学生になった結月は、駅のホームに立っていた。

 ポツリ。

 頬に雨粒が落ちる。

 あの日と同じ匂い。

 でも、もう嫌いじゃない。

 結月は空を見上げ、小さく笑った。

 「……ちゃんと、生きてるよ。」

 風が吹く。

 その瞬間。

 どこからか、懐かしい声が聞こえた気がした。

 『――うん。』


 結月は目を閉じる。

 そして。

 少しだけ涙を浮かべながら、前を向いて歩き出した。