雨の日

 それは土砂降りの雨の日のことでした。
 駅に向かう途中の横断歩道に子供が倒れていました。青信号は点滅し、赤に変わりかけています。
 危ないと思った私はその子に駆け寄って抱き起こそうとしました。
 顔を上げた子供には眼球がなく、ぽっかりと空洞になっていました。
「寂しいよ。一緒にいて」
 そう言って子供が私の腕を掴みます。クラクションを鳴らすトラックがすぐそこまで迫っていました。