太古の龍王〜一万年後に目覚めた私は、消えた龍たちの足跡を辿る〜

長い悪夢を見ていたような気がする。
人間達が龍を迫害し、隷属させ、自らの血統を高めるために龍との間に子を作り、新たな種族として生まれ変わる。
そんなくだらない夢を私は見ていた。

天空の龍宮。

「セレネア様、そろそろ起きてください。流石に寝すぎです」

「モルか、今起きたよ」

「今回は随分長かったですね」
そう言いながらモルは私にワインを差し出す。

「長い悪夢を見ていたんだ。人と龍が子作りして新しい種族になるっていうおかしな夢を」

「そうでしたか」
夢の続きを話そうと思ったけどモルの様子がおかしいため、話題を変える。

「私が寝てる間に変わったことはあった?」
先程からモルが気まづそうにしているところを見るにもしかしたら何かあったのかもしれないと察するセレネア。

「セレネア様が見られたという夢ですが──」

「私の夢がどうかしたの?」

「はい。その夢で見たことは事実でございます」

「──どういうことか聞かせてもらえる?」
聞き間違いだろう。
人と龍が子作りするだなんて。

「はい。一部ではありますが野心を持った人族が龍を隷属させ共に子を作り血統を高めると言ったことがお眠りになられていた一万年の間に起きていました。もちろん同じ立場での子作りも行われております」

「つまり人と龍が種族の壁を越えて子供を作りあい血統を高めているということ?」

「私が寝ている間に世界は変わったのね。他の龍王はどうしてる?」

「セレネア様が眠られた二千年後くらいにそれぞれ消息不明になりました。おそらく旅に出たのではないでしょうか」

「確かに、龍宮で大人しくしてるようなやつらではないか」

「これからどうされますか?」

「外のことも気になるけどまずは宮殿を起動しないとね」

「かしこまりました」

「早く起動させて外に出るよ!」