「お姉さまは悪魔に渡したのではないのですか?」
ソフィアの疑問にルイスが答えた。
「しかるべき時に貰いに来ると言って、その時は去って行った。いずれ悪魔に取られるのなら、お互い情がわくのもまずいと思っている時にお前が生まれたんだ。姉との記憶が出来てしまうと、これから生まれてくる妹弟にも悪影響が出ると考えてレイアを乳母と一緒に田舎へ送ったのだ。」
「では、お姉さまはお元気なのですか?」
ノアが尋ねた。
「病気との報告は受けていない。田舎の領民に交じって生活しているようだ。」
「貴族としての教育は?」
ソフィアに聞かれ、ルイスは気まずそうな表情になった。
「まさか、こんな長い間悪魔に放置されるとは思っていなかったから、何も行っていない。レイアの存在を知る者はなるべく少なくしたいと思っていたから家庭教師などもつけていない。」
「なら、どうして今さら・・・」
そう言いかけて、ノアはハッとしたように父を見た。
ルイスは頷いた。
「少し前、久しぶりに悪魔から連絡があった。6月6日にレイアを貰いに来ると。」
その期日まですでに2週間もない。
「なぜ今になって僕たちにこの話をしたのですか?」
今まで隠し通していたのに、この時期に急に事実を知らせる必要があるのか?
ノアは不思議に思った。
「お前たちに悪魔のことを言うつもりは無かったし、引き渡しは私だけで行おうと思っていた。それが終わったあと、お前たちにレイアは療養先で亡くなったと伝えるつもりだった。しかし、悪魔から6月6日の0時にクルム家全員で聖堂に集まるよう指示があったのだ。」
ルイスは悔しそうな表情で吐き捨てるように言った。
「レイアは1週間後に屋敷の離れに連れてくる予定だ。6月6日にレイアを悪魔に引き渡せば、クルム家と悪魔の繋がりは完全に解消される。お前たちも屋敷内の使用人を含めてレイアのことは一切口にするなよ。あとレイアとは到着後、一度顔合わせをするつもりだ。」
レイアがここに来るのが1週間後だとしたら、それから6月6日まで1週間ある。
「お姉さまを1週間も離れに滞在させるのですか?」
なるべく人目に触れさせたくないのであれば、ギリギリに連れてきた方がいいのではないかという気がする。
ノアに聞かれ、ルイスは渋い顔になった。
「それはそうなんだがあまりギリギリを狙って、万が一天候不良や道中の事故などで期日に間に合わない方が問題だからな。レイアには専属の侍女を一人つける。レーゲンスブルクの乳母もその侍女も、全てが終わった後に処分するつもりだ。」
ソフィアとノアは父の言葉に身を震わせた。
父のルイスが家や自分を守るため冷酷で容赦ない人物であることは知っていたが、実際に本人の口から聞くとそれを改めて思い知らされたのだ。
今回の悪魔の件は、発覚すれば貴族籍はく奪だけでなくクルム侯爵家の取り潰しの可能性すらある内容だ。
父が本気で悪魔の件を内々に片づけようとしているのだと2人は感じた。
ソフィアの疑問にルイスが答えた。
「しかるべき時に貰いに来ると言って、その時は去って行った。いずれ悪魔に取られるのなら、お互い情がわくのもまずいと思っている時にお前が生まれたんだ。姉との記憶が出来てしまうと、これから生まれてくる妹弟にも悪影響が出ると考えてレイアを乳母と一緒に田舎へ送ったのだ。」
「では、お姉さまはお元気なのですか?」
ノアが尋ねた。
「病気との報告は受けていない。田舎の領民に交じって生活しているようだ。」
「貴族としての教育は?」
ソフィアに聞かれ、ルイスは気まずそうな表情になった。
「まさか、こんな長い間悪魔に放置されるとは思っていなかったから、何も行っていない。レイアの存在を知る者はなるべく少なくしたいと思っていたから家庭教師などもつけていない。」
「なら、どうして今さら・・・」
そう言いかけて、ノアはハッとしたように父を見た。
ルイスは頷いた。
「少し前、久しぶりに悪魔から連絡があった。6月6日にレイアを貰いに来ると。」
その期日まですでに2週間もない。
「なぜ今になって僕たちにこの話をしたのですか?」
今まで隠し通していたのに、この時期に急に事実を知らせる必要があるのか?
ノアは不思議に思った。
「お前たちに悪魔のことを言うつもりは無かったし、引き渡しは私だけで行おうと思っていた。それが終わったあと、お前たちにレイアは療養先で亡くなったと伝えるつもりだった。しかし、悪魔から6月6日の0時にクルム家全員で聖堂に集まるよう指示があったのだ。」
ルイスは悔しそうな表情で吐き捨てるように言った。
「レイアは1週間後に屋敷の離れに連れてくる予定だ。6月6日にレイアを悪魔に引き渡せば、クルム家と悪魔の繋がりは完全に解消される。お前たちも屋敷内の使用人を含めてレイアのことは一切口にするなよ。あとレイアとは到着後、一度顔合わせをするつもりだ。」
レイアがここに来るのが1週間後だとしたら、それから6月6日まで1週間ある。
「お姉さまを1週間も離れに滞在させるのですか?」
なるべく人目に触れさせたくないのであれば、ギリギリに連れてきた方がいいのではないかという気がする。
ノアに聞かれ、ルイスは渋い顔になった。
「それはそうなんだがあまりギリギリを狙って、万が一天候不良や道中の事故などで期日に間に合わない方が問題だからな。レイアには専属の侍女を一人つける。レーゲンスブルクの乳母もその侍女も、全てが終わった後に処分するつもりだ。」
ソフィアとノアは父の言葉に身を震わせた。
父のルイスが家や自分を守るため冷酷で容赦ない人物であることは知っていたが、実際に本人の口から聞くとそれを改めて思い知らされたのだ。
今回の悪魔の件は、発覚すれば貴族籍はく奪だけでなくクルム侯爵家の取り潰しの可能性すらある内容だ。
父が本気で悪魔の件を内々に片づけようとしているのだと2人は感じた。

