留美子さんの登場で、学校は監視の目に置かれて調査を行われる。
カウンセラーや、弁護士が行き交う姿をみる。
本当に私が動かしたことなんだなと、ホッとする反面、なんてことをしたんだろうと悲しくなった。
そんな様子を見ていた留美子さんが、放課後私を呼び出してくれた。
お茶を差し出されたが、食べる気力もなくて何を話せばいいか、戸惑う。
「晴海先生は、貴方に感謝してた」
「え?」
「貴方は後悔してる?
自分のやったこと」
少し、してると答えた。
「なら、貴方は間違ってないわ」
「どうしてそんなことが言えるんですか?」
「本当に危ない人は、自分の意見を正しいと思い込んでいるのよ。
こういうナイーブな問題に携わってきたから、こういう事ははっきりと断言しない人が安全だって知ってた?」
にっこりと笑って、留美子さんは私の手を握った。
「貴方は、自分のやったことを、大丈夫なのかな?
とか傷つけたのかな?
とか、考えられる人だわ。
貴方のやったことは、間違ってないのよ。
そこまで、考えられるのなら」
答えのでない真っ暗な迷宮に、やっと光が差し込んだようなそんな気持ちが、私の心の隙間に差し込んで。
「さぁ、晴海先生が待っているわ。
挨拶して来なさい」
と、手を引かれるままに私は出向いた。
そこに立っていたのは、百合と希ーーそして晴海先生。
「お前達のお陰でーーー俺は、また前を向けそうだ。
俺の為に戦ってくれたんだろ?」
希は俯き、気まずそうにしていたけれど最後のでチャラにしたいと、私は肩を突いた。
「3人がいなければ、俺は確実に潰れていたと思う。
いつか、お礼がしたいと思う。
その間、塾の講師として働くことを決めたんだ。
良かったらこれ……」
と、塾の住所を渡された。
「お前らも、強く生きろよ。
俺も、強く生きるから」
晴海先生はゆっくりと微笑んで、留美子と私達は見送った。
私達は、どうなるんだろう。
これから先、この事件を無かったことにして他人として生きることも出来る。
そして、深く支え合うことで、生きることも出来る。
それを決めるのは、他の誰でもなく私達自身。
これから先、壊れた関係をどうしていこう。
私は、行くべき場所を振り返り、前に進む。
fin


