同僚のイケメン眼鏡教師は、私にだけ甘い独占欲を向けてくる


「ね。三沢先生。今夜付き合ってくれない?
クラシックコンサートに行く予定だった友人が急に行けなくなっちゃって。一緒にどう?三沢先生も音楽好きでしょ?」

もう残っている教師もまばらな職員室で、
音楽担当の立花ほのか先生が、あからさまに三沢先生の肩に手を置いて誘っていた。

ほのか先生は小悪魔のような個性的な美人で、性格もさっぱりしている。

三沢先生とは同時期に着任したということで仲が良く、
美男美女のふたりが並ぶと、まるで恋人同士のようにお似合いで……胸がもやもやする。

小テストの採点をしながらも、ついふたりの会話に聞き耳を立ててしまう。
三沢先生は、誘いを受けるのだろうか。

そう思ってドキドキしていると、
三沢先生が大袈裟に両手を合わせて、ほのか先生に謝った。

「悪い。今日はちょっと予定があってさ。」
「そうなの?残念。」
「誰か他の友達でも誘って、楽しんで来なよ。」
「そうね。お疲れ。」

ほのか先生はあっさりと答え、バッグを持って職員室を出て行った。

「おう。お疲れ。」
三沢先生はその背中に軽く声を掛けた。

思わず、私の口から安堵のため息が漏れる。

・・・でも。

もしかしたら、その予定って、彼女とのデートかもしれない。
そんなことを考えて、また落ち込む。