「実は俺、レーシック済みなんだよね。」
「……え?」
思いがけない言葉に、目を見開く。
「本当は視力いいんだ。でも、七実先生が眼鏡好きって聞いたから、掛けるようになった。これ、伊達メガネ。」
胸がぎゅっと締めつけられる。
「私のために……?」
「ああ。」
三沢先生は、照れくさそうに視線を落とした。
「七実先生が着任した時から、可愛いなって思ってた。何にでも一生懸命で、気になって仕方がなかった。
俺以外の誰にも渡したくなかった。
……俺の方がずっと前から七実先生を好きだったんだ。」
三沢先生は私の頬を両手で挟み、そっと唇を重ねた。
唇を離し、三沢先生が囁いた。
「俺、七実先生の本当の彼氏になってもいい?」
「はい。よろしくお願いします。」
「絶対に離さないから……覚悟して。」
体育倉庫の暗がりの中で、
三沢先生は私を強く抱きしめた。
三沢先生の眼鏡の奥の独占欲は、
私が思っている以上に強いのかもしれない。
fin



