とりあえず、まずは殺陣の勉強をしてみよう。
色々刀や剣で戦う系のファンタジードラマをタブレットで観てみた。
ずっしりと真っ直ぐな感じ、クルクル回転したり、剣が霊気で輝いたりもしている……あんまり詳しくないから分からないなぁ。でも、カッコいい~!!
何度も巻き戻したりして戦うシーンを何度も観た。
とりあえず、さらさらと全体のイメージ纏めてみよう。なんか色々混ぜたくなってきたなぁ。そして最後はやっぱりハッピーエンドで。
――ファンタジーは、自由だ!!!
いつも妄想が膨らみ始めると、気持ちが高まりテンションが高くなる。一気にすらすらとイメージの絵を書くと、手を止めた。
快くんと僕が殺陣する話かぁ。みんな怪我しないようにきちんと真面目に練習しなきゃだな。そういえば、快くんは「どうしても戦いたくない」って言っていたなぁ。結局多数決で僕と快くんがライバルってなったけれど。
「僕と快くんがライバルかぁ」
妄想は得意だけど、ふたりのライバル関係は全く想像できない。ライバル役だとしても最初からそんな感じだったのか、それとも最初は仲が良かったのか? 僕もまだお芝居始めて二年しか経っていないけれど快くんは初めてだから、元々の幼なじみの関係も役に取り入れた方がやりやすいかな? だとしたらふたりはどうしてライバルになったのか……。
意見のすれ違い?
世間がそうさせた?
これは演技だと自分に言い聞かせたけれど、争っている自分たちを想像していると切なくなってきた。ふと、昔一緒に公園で走り回っていた記憶を思い出す。
――あの頃は本当にいつも一緒にいて、仲が良かったなぁ。
今は距離を感じていて、踏み込んではいけないような線が僕たちの間に見える気がする。
そんなこんなで、文化祭で発表するお芝居の台本を完成させた。
*
翌日、部室でスケジュール表が配られた。全員で座りながら確認する。
台本が仕上がった日から本読みを始め、同時に殺陣含めシーンの動きも少しずつ頭の中に入れていく。夏休みは廃校となった小学校を借りて一週間の合宿と、遊園地が夕方から貸切できる日があるので、遊園地で馬(メリーゴーラウンド)に乗るシーンと、広々とした芝生で走ったり動き回るシーンなどを。九月に入ると全体の通しを繰り返し、舞台のライティングや音響、衣装ヘアメイクなどを本番と同じようにして最後まで止めずに通すゲネプロをする。そしてついに本番だ。
部活が休みの日や空いている時間にも個人でセリフや動きの確認や体力作りをしたりもする。
多分きっと、あっという間に時間は溶けていくように過ぎるだろう。
「スケジュールはこれで良いですか?」
「いいで~す」
部長の山下くんが尋ねると快くん以外のみんなが返事をした。
ちなみに当日流す映像はBL、少女漫画ドラマオタクの映像研究部である綾小路(あやのこうじ)くんが映像を担当してくれることになった。舞台の演出も今回は中心となってやってくれることに。
そして今、自分が作った台本をそれぞれの部員が目を通す。このタイミングが一番緊張する。僕が書いたストーリーを読んだみんなはどう思うのかなって。
「うん、楽しい話だな」
「お芝居楽しみ~」
それぞれがプラスな感想を述べて僕はほっとした。一番気になった快くんはまだ台本をじっくりと読んでいた。しかも、なんか苦しそうというか、複雑そうな顔をしている。
「快、くん?」
僕が呼ぶと快くんはこっちを向いた。
「……」
色々刀や剣で戦う系のファンタジードラマをタブレットで観てみた。
ずっしりと真っ直ぐな感じ、クルクル回転したり、剣が霊気で輝いたりもしている……あんまり詳しくないから分からないなぁ。でも、カッコいい~!!
何度も巻き戻したりして戦うシーンを何度も観た。
とりあえず、さらさらと全体のイメージ纏めてみよう。なんか色々混ぜたくなってきたなぁ。そして最後はやっぱりハッピーエンドで。
――ファンタジーは、自由だ!!!
いつも妄想が膨らみ始めると、気持ちが高まりテンションが高くなる。一気にすらすらとイメージの絵を書くと、手を止めた。
快くんと僕が殺陣する話かぁ。みんな怪我しないようにきちんと真面目に練習しなきゃだな。そういえば、快くんは「どうしても戦いたくない」って言っていたなぁ。結局多数決で僕と快くんがライバルってなったけれど。
「僕と快くんがライバルかぁ」
妄想は得意だけど、ふたりのライバル関係は全く想像できない。ライバル役だとしても最初からそんな感じだったのか、それとも最初は仲が良かったのか? 僕もまだお芝居始めて二年しか経っていないけれど快くんは初めてだから、元々の幼なじみの関係も役に取り入れた方がやりやすいかな? だとしたらふたりはどうしてライバルになったのか……。
意見のすれ違い?
世間がそうさせた?
これは演技だと自分に言い聞かせたけれど、争っている自分たちを想像していると切なくなってきた。ふと、昔一緒に公園で走り回っていた記憶を思い出す。
――あの頃は本当にいつも一緒にいて、仲が良かったなぁ。
今は距離を感じていて、踏み込んではいけないような線が僕たちの間に見える気がする。
そんなこんなで、文化祭で発表するお芝居の台本を完成させた。
*
翌日、部室でスケジュール表が配られた。全員で座りながら確認する。
台本が仕上がった日から本読みを始め、同時に殺陣含めシーンの動きも少しずつ頭の中に入れていく。夏休みは廃校となった小学校を借りて一週間の合宿と、遊園地が夕方から貸切できる日があるので、遊園地で馬(メリーゴーラウンド)に乗るシーンと、広々とした芝生で走ったり動き回るシーンなどを。九月に入ると全体の通しを繰り返し、舞台のライティングや音響、衣装ヘアメイクなどを本番と同じようにして最後まで止めずに通すゲネプロをする。そしてついに本番だ。
部活が休みの日や空いている時間にも個人でセリフや動きの確認や体力作りをしたりもする。
多分きっと、あっという間に時間は溶けていくように過ぎるだろう。
「スケジュールはこれで良いですか?」
「いいで~す」
部長の山下くんが尋ねると快くん以外のみんなが返事をした。
ちなみに当日流す映像はBL、少女漫画ドラマオタクの映像研究部である綾小路(あやのこうじ)くんが映像を担当してくれることになった。舞台の演出も今回は中心となってやってくれることに。
そして今、自分が作った台本をそれぞれの部員が目を通す。このタイミングが一番緊張する。僕が書いたストーリーを読んだみんなはどう思うのかなって。
「うん、楽しい話だな」
「お芝居楽しみ~」
それぞれがプラスな感想を述べて僕はほっとした。一番気になった快くんはまだ台本をじっくりと読んでいた。しかも、なんか苦しそうというか、複雑そうな顔をしている。
「快、くん?」
僕が呼ぶと快くんはこっちを向いた。
「……」



