【青春BL】舞台ではどうか、好き好きオーラをださないでください。

「じゃあ、とりあえず自己紹介しようか」と部長の山下くんの言葉を合図に、快くんと向かい合わせになり適当に横一列に並ぶ部員たち。並ぶのと同時に、高めだったテンションが幻だったかのように、快くんを除いたメンバーがモジモジしだす。

「じゃあ、左から。部長やってます、やさぐれ役希望の三年、山下です」
「おだやかな役を演じるのが好きな二年生、仲本です」
「やんちゃな役を担当してる三年生、小田川です」
「あまえんぼう役が似合う一年生の手越です」

 みんなさりげなくアイドルのキャッチフレーズのような言葉を名前に添えている。僕は特にそういうのないな。でもとりあえず何かを添えておこう。

「……まとめる役が多い、萌木です」

 快くんに自己紹介をあらためてするのは、今更感が強くて、むず痒い感じがする。

 僕が言い終わると、しんとなる。しんとなったのは僕のキャッチフレーズが滑ったからかな?と不安がよぎる。

 あっ、でも今はそれどころではなくて、流れ的に快くんが自己紹介する番だ。

 僕は目をぱちぱちさせ、顎を少し上げて『快くんも自己紹介を』と、合図した。それに気がついた快くんは「柴宮です」と、いつも通りにクールな雰囲気で言う。

 これからは快くんも一緒に芝居の稽古するのか。まだ想像ができない!

 こうして不安や楽しみ、色々な気持ちが交差する中、夏休み明けに開催される文化祭の準備が始まった。