【青春BL】舞台ではどうか、好き好きオーラをださないでください。

 馬に乗り戦う場所へと移動する夜のシーンが流れた。メリーゴーラウンドっぽさは残っているものの、こっちの方は加工も多くされていて、割とかっこいい感じに編集されている。やっぱりさっきの回想シーンはにおわせるために計算されていたのか。

 物語は進んでいく。

 舞台本番での殺陣は手応えを感じていた。今映像を確認してその手応えは確かなものとなった。

 上手くいったのは周り、特に快くんのお陰。快くんは筋トレや稽古を見えないところでも頑張っていたし、僕も快くんに影響されていつもよりも真面目に頑張ったから。そして快くんが本番の日に本気の空気を出してくれたから。

 後で快くんに色々お礼を言いたいなぁ。
 快くんをチラリと見る。快くんは画面から目を離さずに真剣に観ている。

 殺陣のシーンの後あたりから観ていて恥ずかしくなってきた。だって僕の表情が時々、恋をしているピュアな男子の顔をしていたから。僕自身もにおわせてしまっているではないか……。

 カイに膝枕されてるシーン、テゴ軍団とカイが戦っているのを見つめているシーン。そして、強く抱きしめられていたシーン!!

 自分の表情を見て、想像以上に恋しててびっくりした。

 どのシーンもドアップで映っているわけではないが、顔の表情がほんのり分かる。特にラストの抱きしめ合うラブシーン時の、いや、ラブシーンではなくてバディとなりお互いの背中を預け合う関係となった時の僕の表情は……うっとりしているではないか!! 

 ラストのシーンが終わった瞬間、快くんは静かに部室から出ていった。

 お手洗いかな? 快くんの背中しか見えなかったけれど、ちょっと悩んでいるようにも見えた。僕の思い込みかな?なんて考えたけれど、気になりすぎたから僕も快くんの後を追った。

 廊下に出ると開いた窓のところに快くんがいた。窓枠に肘をつけ、頭を抱えていた。悩んでいるように見えたのは、僕の妄想ではなかった。

「快くん、大丈夫?」

 快くんはゆっくりと振り向いた。だけど、何も言わずにただ僕を見つめている。しばらくみつめあっていたら快くんは静かな声で言った。

「星くん、ごめん」と。