【青春BL】舞台ではどうか、好き好きオーラをださないでください。

 僕と快くんはメリーゴーラウンドへ。僕は白い馬で快くんは黒い馬にふたり横に並んで乗った。

「思ったよりも可愛いし、馬たちがぎゅうぎゅう詰めだなぁ。綾小路くん、ここで撮ってもきちんとかっこいい馬のシーンが撮れるのかなぁ」
「まかせてください。美桜さんの撮影技術はすごいですから。それに、今なら色々消せますし、進化した最新の編集技術もあります!」

 自信満々に言う綾小路くんの言葉を聞いて、安堵した。

 メリーゴーラウンドは回りだす。仲良い頃のイメージだから、僕は快くんに微笑んだ。快くんも微笑んでくれた。しかも普段見せないぐらいな眩しい笑顔で。それも役としてなのだろう。だけど、嬉しくて涙が出そうになった。わずかな微笑み超えて、勝手にニンマリしてくる僕の顔。

「ありがとう快くん――」

 思わず言葉を表に出してしまった。だって、昔、僕に向けてくれていた、大好きな快くんの笑顔だったから。快くんは言葉に対して、優しく、そして再び眩しい笑顔で頷いてくれた。

心臓の音が、今まで聞いたことのないくらいに大きくドンとなり、全身が熱くなる。僕の体に大きな異変が起きた。風邪かな……だけど撮れる日は今日しかないから風邪を引いてないふりをしないと。

 そんな自分のことよりも、この快くんを普段から見せてくれればよいのにな、なんて。芝居と現実がごちゃごちゃになってしまっている。だけどモニターチェックしたら本当に仲が良い幼なじみに見え、声も後撮りで入らない。そして綾小路くんからもテンション高めで満足感ある様子な「OK」。撮ったシーンは使われることになった。

 と、そんな感じで撮影は進んでいき、夜のシーン。快くん応援隊のメンバーが舞台当日も、村人役など、早着替えをして複数の役で出演してくれる。そして今は大きな戦いが行われるために、その村人たちのいない場所へと馬に乗って移動するシーンを撮る。今回は僕が先頭になり、後ろに快くん。そしてその他戦うメンバーがわらわらとついてくる。停止すると馬からカッコ良く降り、戦う姿勢になったつもりだった。