【青春BL】舞台ではどうか、好き好きオーラをださないでください。

 合宿は毎日順調に進み、無事に終えることが出来た。

 快くんは二日目の夜も頭からつま先まで壁につけていた。だからさりげなく偶然を装って通りすがり聞いてみた。

「僕も一緒に鍛えてもいいかな?」と、勇気を出して。

快くんは、一瞬ためらいを見せてきた気がするけれども、頷いてくれた。

 快くんとふたりきりでした深層筋トレは時が経っても詳しく思い出せるくらいに深い思い出となった。

――今も鮮明に思い出せる。

 外の月明かりでわずかに明るい夜の廊下の色。

 壁に身体全体をつけぴんと伸ばしていた時の、特に腹筋の深い部分辺りが喜んでいるような感覚。

「深層筋のトレーニングって、精神の深層筋も鍛えられるよね」

と、僕が独り言のように呟いた時に微笑んでくれた快くんの表情。

 それだけではなく、その体勢でセリフ合わせまでしてくれた。

 記憶だけに残しとくのもったいない空気だなと思っていたら、なんと美桜さんが最終日前夜の時に思い出として動画を撮ってくれた。

と、そんな感じで芝居の稽古もしたけれど、快くんと過ごした夜の時間が一番記憶の中で濃い。

 そして合宿が終わっても稽古の日々。

 筋トレ、そして殺陣の練習量が明らかに足りないことに気がつき、練習量を増やした。そうしてあっという間に日が経ち、もうひとつのイベントである遊園地での撮影の日がやってきた。