ひみつの姫君~男爵令嬢なのにくじ引きで王子のいる生徒会の役員になりました!~

翌日の昼休み。

リアはシンシアとイーリスと一緒にルーファスに会いに2年生の教室へ行ったが、ルーファスに無言の笑顔を向けられた。
察しのいいシンシアたちは、”ご馳走になったお礼なら、先輩と二人の方がいいんじゃないかな。今日は、私たちは遠慮しとくね。”と言って、さっさと別の場所へ行ってしまった。

リアは焦った。
二人っきりというのは想定外だった。
リアの友達や、先輩の友人やヘンドリックたちと一緒に食べ、先輩の分をリアが払うつもりだったのだ。
しかし、今さら断るわけにもいかず、ルーファスと二人で食堂に行くことになってしまった。

「リアは学食で何が一番好きなんだ?」
「えっと、パスタランチが一番好きです。あとはハンバーグ定食とか・・・。」
「じゃあ、今日はパスタランチにしようかな。」
二人で並んで座りランチをしているとチラホラと視線を感じた。
驚いた表情をする者、コソコソ内緒話をする者・・・。

何を言われてるんだろう?

リアは落ち着かない気持ちでパスタを口に運んだ。

今日のリアは、メガネはかけているが髪をおろし、ルーファスに貰ったバレッタをつけている。

”あのバレッタ、カルティオの・・・”
”ルーファスの色だな。”
”ちびっこ、文化祭で見てすごい可愛かったから、いいなあって思ってたけど、ルーファスも狙ってるのか・・・。”

ルーファスは周囲の反応を見て、おおむね満足していた。
リアに自分の色の髪飾りをつけさせ、二人っきりで学食を食べる姿をみなにアピールし、自分がリアを狙っていることを周知させる。
リアが2年生の教室に来た時、部屋の中にハリルがいることは確認している。
彼も、その光景を見ていただろう。

食べ終わると、ルーファスは1年の教室まで送ってくれた。
「今日は二人で学食を食べれて楽しかったよ。また、ピエール・エミルにも一緒に行こう。」
文化祭の劇を見て、1年生の男子の中にもリアを狙っている奴はいるはずだ。
ルーファスは1年の教室の前で、二人の仲をアピールすると、あっさりと去って行った。

後日、ハリルに直接会いに行ったリアは、真っ青な顔で交際を断られた。
「ああ、ごめん。人違いで・・・。僕の勘違いだったみたい。ごめんね。」

人生初の告白にウキウキしていた乙女心を返してほしい・・・。

その日の夜、リアは寮のベッドの上で枕に八つ当たりしたのだった。