ライオンのサーカス

 



 待ち合わせ場所の広場では、カナトが今か今かとモネを待っていた。

 普段クォーターでお人形の様な顔立ちのシロウが一緒にいるため目立たないが、カナトの整った顔立ちも人目を引く。

 広場のベンチに腰掛けて、カナトはしかめっ面で自分をチラ見する人をやり過ごしていた。



「カナト」


 モネが近づいて行くと、カナトは開口一番、


「遅い」


 と文句を言った。


「僕を待たせていいはずないだろ。まったくいっつも待ち合わせに遅刻して。いい加減なんだよ。ちょっとは考えらんねーの?」

「ちょっとね」


 モネがニコニコするとカナトは訝しげな顔で。


「何してたんだよ?。ユウタの授業って、そんな掛かんないんだろ?」


 と聞いた。

 モネはそこで持っていた包みを渡した。

 
「カナトに、ぴったりだと思って」


 カナトが包みを開けると、現れたのは自分にぴったりのショートブーツ。


「ふーん。」


 カナトはちょっと照れている時のそっけない言い方をして、その場で靴を代えた。


「サイズぴったり。お前、僕の足のサイズ知ってたんだな。」


 靴を慣らすためにトントン、とつま先を地面に数回当てながら、カナトは呟いた。

 モネが見ると、カナトのブーツは、ラフなカナトの服装にもぴったりだった。
 無造作にお洒落なTシャツを着たカナトを、モネは改めてかっこいい男の子だと思った。


「どこに行きたい?」


 足元を見ながら、カナトが聞いた。


「連れてくよ、どこでも。好きな所言いな。」


 モネとカナトは連れ立って歩き出した。