数日後の放課後。
モネが、気まぐれに学校の図書室に入って行くと、応用魔法の棚の前のテーブルに、ユウタが座って本を読んでいた。
ユウタはモネに気が付くと、顔を上げて挨拶した。
「モネ。珍しいですね。」
「ユウタ。普段はいつも図書室に居るの?」
「ええ。一応、先生方から特別授業以外は出なくても良い事にして貰っていて、いつもここに居るんですよ。」
それから、
「夜の図書室に魔法で秘密の禁書棚が出てくるって、本当ですよ。基礎のばっかりだけど。結構役立ちます。」
と言って笑った。
「ご家族みんな優秀なの?」
「ええ。おかげさまで。みんなこの学校の生徒で、家族は皆、特別授業だけ受けて卒業しました。」
「へえ」
ユウタは頬杖をついて考える顔をしてから、言った。
「モネさんは、一人暮らしだって聞きましたけど。」
「うん。坂の上の小さい家で暮らしてる」
「そっか。僕も一人暮らしなんですよ。魔法学校の近くにアトリエを作って貰って、一人で住んでます。」
「御兄弟は居ないの?」
「3人姉弟です。皆王室付きの魔法使いで、姉のアトリエが次姉のアトリエになり、それが僕に下がって来たんです。」
ユウタはペン回しをしながら言った。
「僕のアトリエに招待しましょうか?。魔法の小物が沢山あって、結構面白いですよ。」
「良いね」
モネがそう言うと、ユウタは本を閉じて鞄に入れ、立ち上がってにっこり笑った。



