授業がひけてから、モネとカナトとシロウは学校の応接室へ向かった。
今日会う事になっている名医は、モネ達の1個下の男の子で、モネの事を知っていたらしい。
レースの掛かった黒いソファに3人で座って待っていると、ドアがカチャリと開いて、担任の遠山先生に連れられて男の子が入ってきた。
男の子は最初からモネだけを見ていた。
見上げると、すっきりと整った顔立ちに、真っ直ぐな眼差し。
「こちらが下田さんのお医者さんになる、王室付き魔法使いの相葉くんです。」
「はじめまして。相葉ユウタです。」
先生が紹介すると、ユウタは愛想の良い落ち着いた声で口を開いた。
「モネさんの事は知っていました。一つ上に、魔力増幅体質の女の人が居るって。僕の家は王室関係で、王室関係者誰でも知ってるんで。モネさん、今、痛いところは?」
「ないけど」
「北村カナト、モネの幼なじみのフィアンセだ。」
カナトが口を開いた。
「お願いだから熱を出さないようにしてやってくれ。その度に魘されて、かわいそうでたまんないんだ。金ならいくらでも払うから。」
「モネの友人、九条シロウ。僕からもお願い。モネが辛くなくなるなら、貴族の権利を払うよ。モネが寝込む度、僕は心が痛いんだ。」
「陣を描いて魔法をかけるのが基本ですが、注意点がいくつかあります。」
ユウタは落ち着いた声で応えた。
「僕は、魔力を制御する魔法を順々に教えていけ、と王室から言われているんですが。そうすればこれからは多分心配ないですよ。」
「そうしてやって。あぁ、肩の荷が降りてすっきりした気分。偉い先生なんだな。」
「良かった。僕はモネが悪いって聞く度、眠れなくなるんだ。」
「一応、こういう者です」
ユウタは王室使えの印のカードを取り出して見せた。
「そうは言っても、モネさん次第なんで。これから大変です。モネさん、一緒に頑張りましょう。」
落ち着いた声で話すユウタに、モネ達は頷いた。



