モネが玄関のドアを開けるとサヤが立っていた。
前に来た時と同じ様に1人で、お供は追い払ってしまったらしい。
ドレスにローブを着たサヤはにこにこしながらモネを見ると、こう口を開いた。
「モネ!。お会いできて嬉しいわ。」
「サヤ。どうしたの?」
「今日は、お誘いがあって来たんですの。」
サヤは言葉を切ってから、また口を開いた。
「今日は城下町の港を探検に行きませんこと?」
「城下町の港?」
お城の城下町は、五芒星の形をした小さな町で、商店街や施設や小さな店店で込み合っている。
港の方には、商船が沢山連なる船着場や、飲食店や、カナトの会社や色々な会社の倉庫が沢山あったが、治安が悪いのでモネはカナト達から近付かないようにきつく言われていた。
「港町って、危ないって言うけど。」
「大丈夫ですわ。私が付いていれば、危険なんてへっちゃら。お茶の子さいさいですのよ。」
「治安が悪いからって、カナトが言うよ」
「まあ────いつもいつもカナトの命令ばかり聞いて、モネ、それで虚しくはない?」
サヤは甘い声で尋ねた。
「一人前の女は大人が出入りする所に行くものですわ。私、港からの景色が好きで。一緒に行ってくださらない?。お願いよ。」
「……」
「確かに、私、危険な場所の方が好きですけれど。」
サヤは笑いながら言った。
「港町ならしょちゅう1人で行ってますわ。私、あなたに港の景色を見せたいの。綺麗ですわよ。まさに一見の価値ありですのよ。」
「本当にいつも1人で行ってるの?」
モネが首を傾げると、サヤは頷いた。
「ええもちろん。近道沢山知ってますことよ。いつもいつもカナトやシロウの駄目だしばかり聞いてたら、大人になれませんことよ。————それじゃあ、行ってくださるのね?」
モネは、うーん、と考えてから、頷いて、紫色のローブを取りに行った。



