シロウとサヤが来たので、部屋の中は一気に賑やかになった。
「モネんとこに連れてけって。僕の城に魔法の絨毯で乗り付けて。」
シロウが説明した。
「お供の人を魔法で追っ払ってた。あれは絶対に魔法をかけてた。杖向けてたもん。お姫様があれで良いんですか」
「構いませんことよ。占いで、モネさんが今日怪我しているとあったから、お見舞いに来ましたの。」
サヤは言うと、お土産のプリンの箱をモネに渡した。
「占いって当たるんですね」
「王室の占いは、百発百中ですの。外れたことありませんわ。そうそう……」
サヤはカナトに目を向けた。
「シロウさんとカナトさんは、モネさんを取り合ってるとか、星読みが申して居りましたわ。」
「取り合ってるっていうか、僕のフィアンセです。横槍入れてきたのがこいつ」
「違います。モネが商人風情と結婚するはずない。モネは僕の婚約者です。貴族会にちゃんと申請してある」
「面白い。妬いてると思わないでくださいね。私他国に恋人居りますの。ただ単に、占いでこじれる、とあったから……」
言葉を切ってから、サヤは、笑顔で、
「恋愛がこじれているのって、はたから見ると面白くありません?」
と聞いた。
「悪趣味だ。迷惑です、そういうの。面白い訳ないでしょ。」
「そうそう、嫌なばっかり。変な事言わないでくんない。」
シロウの言葉に、カナトが重ねると、サヤは、
「わたくしには大変面白いです。こう、お二人が取り合ってるのにモネさんがきょとんとしてらっしゃるのが。」
と言ってはっはっはと笑った。
「畜生。お姫様にまで笑われて、モネ、お前がどっちつかずだからだぞ。」
「そうそう、いい加減に決めて。僕かカナトか。カナトのはずないけど。」
「お前がそうやって出てくるからモネが迷うんだ。こうなったら、僕んとこの商会はモネの事を金で買い上げるからな。」
「出たよ金金って。お姫様や僕とは所詮生まれが違うんだ。上流階級はそんな事は言わないよ。」
「このプリン、お気に入りですの。開けて良いですこと?」
言い合いをしているカナトとシロウを肴に、サヤは4つあった高級プリンの1つを自分で開けて食べ始めてしまった。



