「杖をなくしただあ!?」
休み時間、そう打ち明けたモネにシロウは目を見開き、カナトは開口一番怒り笑いで声を荒げた。
「馬鹿じゃねーの、杖なしでどうすんだよ。杖のない魔法使いなんて、一般人とまるきし同じじゃねーか!」
「家にはないの?」
シロウが冷静な声で聞いた。
「まだ分かんない」
「杖無くすなんてドベもドベ、最ドベだ。ほんっと頭痛え。もうお前には何も期待できねー。」
「一緒に探してあげるよ。多分家に忘れて来ただけだろうし。言うと滅多になくなるもんじゃないしね。」
「言っとくけど、杖は他の物とは違うんだよ。分かんねーの?。魔具なくす魔法使いなんて最低だ。聞いたことねーよ。」
「僕もそう思う。でも、杖のない間に、モネが気づかずにモンスターが出る森とかに行かなくて良かったよ。」
「まあそれはそうだけど。信じらんない。魔法使いの癖に杖なくす、そんな馬鹿が居てそれも僕の幼なじみでフィアンセだなんて……。人間疑う。お前どうかしちゃったんじゃねえの?。」
「多分家の引き出しに置いてきたんだ。」
モネが困った顔で言った。
「だよな。なくなる訳ねえもん。」
「だよ。普段使うものだから、ふいになくなることなんてありえない。引き出しだと思うんだね。」
カナトとシロウは、それからしばらくモネを慰めた。



