カタオモイ・ファミリー

恋愛(キケン・ダーク・不良)

紫陽花/著
カタオモイ・ファミリー
作品番号
1784850
最終更新
2026/06/22
総文字数
2,612
ページ数
1ページ
ステータス
完結
PV数
1
いいね数
0
高校2年生の坂本瑠衣には、誰にも言えない秘密があった。
それは、1つ年下の妹・結衣に対して、兄としての庇護欲を超えた「ひとりの女性」としての恋心を抱いてしまうこと。
結衣は、天真爛漫で少し天然なところもあるが、瑠衣のことを「お兄ちゃん!」と呼び、全幅の信頼を寄せている。
そんな彼女の無防備な笑顔を見るたびに、瑠衣の胸は締め付けられた。
「俺はあいつの兄貴だ。この気持ちは、絶対に墓場まで持っていかなきゃいけない」
瑠衣は自分の気持ちに厳しく蓋をし、完璧な「理想の兄」として振る舞うことを心に誓っていた。

そんなある日、瑠衣は自宅の書斎で、両親の古い戸籍謄本を偶然見つけてしまう。
そこに書かれていたのは、衝撃の真実だった。
──瑠衣と結衣には、血の繋がりが一切ない。どちらかが引き取られた子供だったのだ。
「俺たちは、本当の兄妹じゃない……?」
縛られていた呪縛から解放されたような歓喜と、同時にこれまでの「家族」という関係が崩れてしまうのではないかという恐怖が瑠衣を襲う。
真実を知ってもなお、結衣を傷つけたくない瑠衣は、これまで通り「兄」として接しようと必死に自分を取り繕う。

しかし、真実を知った瑠衣の態度は、どこかギクシャクしたものになっていく。
結衣の頭を撫でる手が止まったり、ふと切ない視線を向けてしまったり。
そんな瑠衣の変化に、結衣もまた敏感に気づいていた。

実は、結衣もまた、ある「秘密」を抱えていた。
彼女は瑠衣よりずっと前から、自分たちが本当の兄妹ではないことを両親の会話から知っていたのだ。
そして結衣もまた、兄としての瑠衣ではなく、ひとりの男の子としての瑠衣に、ずっと恋をしていた。
「お兄ちゃんが私を『妹』としてしか見てくれないなら、この気持ちは隠さなきゃ」
お互いが「相手は自分を兄(妹)としか思っていない」と誤解したまま、すれ違う二人。
物語は、そんな二人のもどかしい距離感を、四季折々のイベント(夏祭り、文化祭、バレンタイン)とともに、オムニバス形式で丁寧に切り取っていく。

そして、進路を決める高校3年生の冬。ついに二人の「嘘」が交錯し、隠しきれなくなった想いが溢れ出す。
兄妹という優しい境界線を踏み越え、二人が「新しい関係」へと一歩を踏み出すまでの、切なくも愛おしい恋の軌跡。

この作品のレビュー

この作品には、まだ投稿されていません。

この作品の感想ノート

この作品には、まだ投稿されていません。

この作品のひとこと感想

この作品には、まだ投票されていません。

この作品をシェア

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

pagetop