限界王子様に「構ってくれないと、女遊びするぞ!」と脅され、塩対応令嬢は「お好きにどうぞ」と悪気なくオーバーキルする。

 ちょ、ちょっと待って! こっ……これだわ! 私はギャレット様が困ったものだと言わんばかりに口にした言葉に、ピーンときてしまった。

 王妃様は、これを言われて対応にどうしようと考えあぐねているのかもしれない。ギャレット様が、いきなり私の結婚に前向きになったから、それをどうにかしなければと思っているんだ。

「そっ……そうですね。私もギャレット様と結婚したい気持ちはやまやまなのですが、私にも心の準備がたくさんありまして……」

 若干、声が震えてしまった。

 待って。これって、イーサンと逃げる隙もなく、私とギャレット様が結婚してしまったら、どうするの?

 王妃様だって、思うように動かなかった飼い犬に、報酬という餌をくれる訳もないわよね?

「そうか……いや、王太子妃になれば、君用の予算が計上出来るようになる。今はまだ王族ではないから微々たる数字しか出せないが、仕事として公務をこなすようになれば、王太子妃の予算をローレンがどう使おうが自由だからな」

 優しいギャレット様は私の家のことも考えて、早く王太子妃にしてくれようとしたんだ。