錯乱するような薬を打たれて自我を失っていたというお父様は、クインを救いだそうとして、どうにか王妃の手から逃れてきたはずだ。
「ああ……長期間打たれていた薬を抜くのはこれから時間がかかるだろうが、君も居なくなったと聞いて、急にしっかりとした口振りで話し始めた。妻を喪ったが彼にとって今大事なのは、残された二人の子どもなのだと……ようやく、気がついたんだと思う」
「そうですか……それは、良かったですけど……」
なんだか釈然としないのは、家まで用意していた婚約者を捨てて、お母様を選んだというお父様の良くない過去だ。
けれど、人生を誰と過ごすのかを決めるのは、お父様その人でしかないのだから、私が彼を非難しても、それは違うのかもしれない。
私だって……怖くなる。急にギャレット様が心変わりして、私を捨て違う女の子に走ったら?
そんなの、正気で居られる自信なんてない。
ギャレット様はおそらく自分が乗ってきた馬車へと乗り込むと、騎士たちが雪崩れ込む民家を横目に馬車を出すように目で指示した。
「ああ……長期間打たれていた薬を抜くのはこれから時間がかかるだろうが、君も居なくなったと聞いて、急にしっかりとした口振りで話し始めた。妻を喪ったが彼にとって今大事なのは、残された二人の子どもなのだと……ようやく、気がついたんだと思う」
「そうですか……それは、良かったですけど……」
なんだか釈然としないのは、家まで用意していた婚約者を捨てて、お母様を選んだというお父様の良くない過去だ。
けれど、人生を誰と過ごすのかを決めるのは、お父様その人でしかないのだから、私が彼を非難しても、それは違うのかもしれない。
私だって……怖くなる。急にギャレット様が心変わりして、私を捨て違う女の子に走ったら?
そんなの、正気で居られる自信なんてない。
ギャレット様はおそらく自分が乗ってきた馬車へと乗り込むと、騎士たちが雪崩れ込む民家を横目に馬車を出すように目で指示した。



