これは恋なの?

「電車来たぞ」

「乗るぞ、ヒマ」

「うん!」

ぷーーっって音がして、ドアが開く。

「ひ、人、多っ」

満員電車ってこれのことを言うのかな?

「ヒマ、壁側に寄れ」

半ば強制的に電車の壁側に追いつめられる。

すると2人が私を守るようにヒマの前に立ってくれた。

「ちっ…混んでるな…」

「ヒマ、クッソ見られてるじゃなぇか」

「明日から電車貸切るか…」

新大がボソッと言う。

新大の家はお金持ちだから、感覚が違うんだよね…

こればっかりは涼介もびっくりしている。

貸切りなんて、阻止しなきゃ!

「か、貸切るって何?!無駄にお金使わないで!」

「は?無駄じゃねぇよ」

「確かに必要かもしれないが、できるのか?」

「できるに決まってんだろ!藤原財閥にかかればな!」

「やっぱ新大んとこはすっげぇな!ヒマ、無駄なんかじゃなぇよ!」

「もうっ!それは無駄です!バッカみたいなこと言ってたら駅ついたよ!行くよ!」

2人の手首を握って電車を降りる。

改札を通したら少し進んだあまり人の邪魔にならないところで止まる。

「ちょっと新大!」

「は、はい?」

新大が驚いて返事をする。

「あんた、貸切るって言ったよね?」

「おう」

それがなにか?とでも言いたそうな表情で返してくる新大。

これだから新大は…!

「貸切るのにお金がかかるのはご存じ?」

「あったりめぇだろ」

「その時に使うお金って誰が稼いだものかしら?」

新大の顔色が初めてハッキリ変わった。

「父さんと、母さん、です」

「そのお金を勝手に使うことはよいこと?悪いこと?」

「悪いこと」

「わかってるなら勝手なこと言ってんじゃないよ」

「はい」

これで新大はOK。

次は涼介。

「涼介」

「はい」

肩がビクッてなった。

そこまでビビられるとなぁ。

でもこの話はハッキリしとかなきゃ。

「さっきの話、聞いてたよね?」

「はい」

「親のお金を使おうとしている新大は?」

「…よくないことをしようとしていました」

「じゃあ人の親のお金を使おうとしていたあんたは?」

「もっと悪いことをしようとしていた人に当たります」

「そう、正解」

涼介もOKかな。

ほんと、もうちょっと金銭感覚を身に着けてくれないかな。

「新大。涼介」

「「はい」」

「お金の大切さ、改めて分かった?」

「「わかった」」

「もう電車貸切るとか言わない?」

「「言わない」」

「じゃあよし!もう怒んない!意地悪いってごめんね?」

「「大丈夫!学校行こ!」」

「うん」

「おぉ、こっわ」

「…え?」

後ろにはうちの中学の制服に身を包んだ身長の高い男子が立っていた。

「あぁ、拓真。昨日ぶり」

「おう、姫莉。昨日ぶり」

「新大、涼介。この子は石原(いしはら)拓真(たくま)。隣の席の子なの」

「「ふーん。…ども」」

「ちわっす」

挨拶の仕方が雑だなぁ。

…お互いに。