あの時間を忘れる方法が あるなら

恋人らしいこと‥‥って‥彼は好きでもない人に契約だからといって平気でそんな事が出来る人なの?

『莉奈といる為ならこんな事何でもない‥俺にとって彼女は命の恩人でもあり、彼女がいなかったら今の俺はここにいない』


川崎さん‥‥‥

いつか自分もこんな真っ直ぐで強い想いを向けてくれる人に愛されてみたい

自分が好きになった人がそれ以上の思いを返してくれた時、どんな気持ちになるのだろうと‥

この時はまだ自分に課せられた事の重大さ分かっていなかったが、彼はそんなに悪い人ではないのかもしれないと思えた

連れてこられた高層マンションのエレベーターで当たり前のように最上階を押す川崎さんの隣に立つと先程よりもこの契約を実感し始めた

本当にここで始まるんだと‥‥

川崎さんは監視とはいえ、赤の他人と一緒に住むことに嫌悪感は抱かないのだろうか?


『疲れただろうから早めに寝るといい。俺はまだ書斎で仕事をしてるから何かあったらノックしてくれ。明日は仕事はしなくてもいいから、家のことに慣れて貰えるか?』

「はい‥わかりました。お気遣いありがとうございます」

『それじゃあ‥おやすみ‥』