「何悩んでんの」友人の聡子が聴く。
項垂れる私。
「私でよかったら恋の悩みでも聞いてあげら
れるけど」頭の聡さは群を抜いている。
顔をあげた私は彼女の眼には悩ましく
映ったらしい。口を固く閉じて。
時計を見ながら口に出そうか視線を
彷徨わせていると、
「そういえばお兄さんの話しないね」
鋭く突いてくる。
「あ、バレたか」な自惚れた表情になり、まさか
そのお兄さんに恋!?という悟った表情になる
聡子。
言語に出すより表現に現れるから仲睦まじい
仲だと容易くバレる。阿吽の呼吸で、
「言わないで!」「お兄さんと!?」
たじたじになる私に「なるほどねー」と
髪の襟足を指先でくねらせる。



