MyPalette (マイパレ)

第二話「不透明」
放課後になり、教室には帰り支度をする者たちの声が響く。
頬杖をつく私の目線の先には、白石天音が居た。
やはりおかしい。何度見て何度目を細めても、感情の色は見えない。
「絢瀬さん?」
私が白石さんを観察していた事がバレたのだろうか。と思い、焦りと共に汗が滴る。
「どどど、どうしたんですか〜!」
白石さんは非常にきょとんっとした目でこちらを見ている。
「私の顔に何か付いてるかしら?」
まずい…!そんな分かりやすかったか...
「な、なんでもありませぬよ〜!」
白石さんはクスっと笑い、こう言った。
「ありませぬ?フフッ、面白いね、絢瀬さん。」
「面白い!?」
「見てて飽きないなー。」
飽きないってなんだ!?
私の顔は何故か熱くなっていた。
そんな時。
ガラッ!!
教室のドアが勢いよく開いた。
「まだ帰ってないやついるかー!!」
たしか…拓海 晴(たくみ はる)くんだっけ。
明らかに元気属性タイプの人。
「うるせぇな。」
この声は...京本 依鶴(きょうもと いづる)さんかな。
冷たい声。クール属性かな?
「あ、いたわ!」
「暇なやつら!」
暇って、もしかして私達のこと?
「暇じゃねぇだろ。」
即答。笑
「聞いて驚け!」
「俺、部活入る気ないんだよな!!」
「だから?」
京本さんが思ったことを言ってくれた。
「だっ、だからさ、」
「俺たちで同好会作っちゃおうぜ!!」
教室の空気が変わった。
いづるん「は?」
あやのん「同好会?」
あまねる「面白そうね。」
はるりん「だろ!?」
はるりん「放課後さ、集まって遊んだり喋ったりするだけ!」
いづるん「それ同好会っつーのかよ。」
はるりん「たぶん!!」
わたしは吹き出した。おもろすぎて。
あまねる「ふふっ。それ、楽しそうね。」
その瞬間、私はハッとした。
今、笑ったよね。でも、感情の色はない。
無いっていうより…透明?
帰り道。私は夕焼けの空を見上げながら、思っていた。
白石さんの事、京本さんの事、拓海さんの事。
何だか明日が楽しみかもしれない。
そして翌日、私はまだ知らない。
この出会いが、自分の世界を大きく変える事になるなんて。