MyPalette (マイパレ)

第一話「共感覚」
「やばい遅刻ー!行ってきまーす!」
桜飛び交うこの季節。今日はついに来た高校の入学式。
思わず転んでしまいそうなほどに、緊張している。
わたしには、ある能力(?)がある。
能力とは、「人の感情が色で見える。」とでも言っておこう。
嬉しいときは黄色。悲しいときは青。怒っているときは赤。
最初はみんなも見えているものだと思っていた。
でも違っていて、この色が見えるのは、私だけの様だった。
あっという間に教室まで来てしまった。見覚えもない新しいクラスメイト。
辺りを見渡すと、そこには皆、それぞれ違う色の人々。
やっぱり少し見慣れないな。と思っていたら。
空気がやけに静かになって、見てみると、そこには。
白髪で長い髪の、まるで違う世界からやって来た様な、色白で顔の良い女の子が居たのだ。
思わず惚れていた。だが何かに気づく。
「感情の色が…無い?」
いや、そんな事あるはずが無い。こんな事、人生で初めてだ。
何度見返しても変わらず、彼女に色は無かった。
放課後。わたしは忘れ物を取りに教室へ向かうと、あの、色が無い子に出会ってしまった。
「絢瀬さん、ですよね。」
いきなり話しかけられて、思わず固まってしまった。
「え、は、はい!絢瀬 彩乃です!」
「これからよろしくね。あや。」
「あッ、あやァ!?」
これが、「白石 天音」との出会いだった。