終わる世界は君色に染まる





「クジラって確か、ほぼ絶滅寸前になってる生き物じゃなかったか?」

「……蒼の世界では減ったんだ」




ノアは小さい声で何かを呟いて、クジラのいる海の方に向かってゆっくり歩き始める。

“クジラ”という存在は知っていたが、実物を見たのは初めてだった。




「……初めて見た」

「クジラを?」




ノアは振り返り、俺を見て聞き返す。




「うん……」




クジラもだが、海の青さにも驚いていた。




「……そっか」




ノアはまた海に向かって歩き出した。




「……海はね、とっても広いの。青く澄んでて終わりが見えない。でも、そこにはたくさんの生き物たちが住んでて私も知らない世界があるの」




クジラは先ほどとは打って変わって高音を響かせ、悲しんでいるような音で鳴いていた。

ノアはどんどん先を行く。

ようやく止まったところで、ノアの膝は海に浸かっていた