終わる世界は君色に染まる


近くの木にはいつの間にかリスが止まり、小さな前足を揃えてじっとノアを見つめている。

さらに奥の木陰からは一頭の鹿が音もなく歩み寄り、警戒の欠片もない穏やかな瞳で佇んでいた。

歌声が響く中、馬は片方の後ろ脚の蹄をそっと浮かせ、完全にリラックスした姿勢をとっている。

その瞳は優しく目を細め、ノアの歌声に身を委ねているようだった。

ノアの足元では、子猫が喉をゴロゴロと鳴らして擦り寄っている。




「……ふぅ……」




歌声が聞こえなくなった代わりに、息を吐く小さな音が聞こえてきた。


ノアが歌い終わり静寂が戻ると、途端に今までに聞いたことのない奇妙な重低音が響いてきた。




「なんだ……?」




キィィィンと、どこか不気味で金属が擦れ合うような奇妙な音が耳の奥まで鳴り響いた。




「……会いに行ってみる?」




ノアはその音の正体を知っているかのように言って歩き始めた。

俺もノアについていくように歩き出す。