「ここ座って」
ノアは少し左にずれて、俺の座る場所を確保してくれた。
「ありがとう」
隣に座り、ふぅと一息つく。
「……雨に打たれるとその後がめんどくさくなるよね。だからって、やめることもできないんだけど……」
ノアは少し目線を落として言った。
「そういう日もあるよね」
俺は優しく答えた。
「……うん」
ノアは小さく頷く。
それから、しばらく沈黙が続いた。
不思議と気まずく感じることはなかった。
ただゆったりと穏やかに時が過ぎていくのを感じていた。
その時——。
「……!」
俺は肩をピクリと少しだけ震わせた。
——隣に座っていたノアが俺の肩にもたれかかってきたのだ。
俺はそっとノアに視線を向けた。
すぅすぅと規則正しく、小さく聞こえてくる寝息で、俺はノアが寝たのだと悟った。


