「……ありがとう、蒼」
不意に呟くノアを見た。
ずっと雨に打たれていた俺たちは全身ずぶ濡れだった。
「お礼を言われるようなことはしてないよ」
俺はそう言って、立ち上がった。
「……私がわがまま言ったから、蒼までずぶ濡れになっちゃったから……」
座りながら顔を俯き、ノアは言う。
「ノアは悪くないよ。俺もちょっと雨に打たれたい気分だったし」
俺は手を伸ばし、背伸びをした。
「……ありがとう」
ノアはもう一度、お礼を言うと立ち上がった。
「とりあえず、乾かさなきゃいけないな」
どうしようかと考えていると、ノアが口を開いた。
「……うちに来る?」
「え……?」
俺は少し驚いてノアを見た。
「……少し歩いたところに小屋があってそこに住んでるの。蒼がいいなら一緒に行く?」
そう言われて俺は少し迷ったが、このままでは風邪を引いてしまうため、ノアの言葉に甘えさせてもらった。


