終わる世界は君色に染まる





「……不思議」




不意にノアが呟く。




「……何が不思議なんだ?」




俺が聞き返すと、ノアは少し表情を柔らかくして、今度は俺を見た。




「……こうやって、誰かと雨に打たれていると少し軽くなった感じがするから」




声のトーンは変わらず、でも明らかに楽になったとわかるような言い方をした。




「……それならよかったよ」




俺も少し頬を緩めて言う。

目線を逸らして遠くを見つめる。




「……こんな時間がずっと続けばいいのにな……」

「……うん」




ポツリと呟いた俺の言葉が聞こえていたのか、ノアは小さく頷いた。

それからしばらくの間、二人で雨を眺めていた。




*****




少し時間が経つと次第に雨は止んでいった。

今は太陽が顔を出そうと、今にも雲から出てきそうな天気だった。