「……不思議」
不意にノアが呟く。
「……何が不思議なんだ?」
俺が聞き返すと、ノアは少し表情を柔らかくして、今度は俺を見た。
「……こうやって、誰かと雨に打たれていると少し軽くなった感じがするから」
声のトーンは変わらず、でも明らかに楽になったとわかるような言い方をした。
「……それならよかったよ」
俺も少し頬を緩めて言う。
目線を逸らして遠くを見つめる。
「……こんな時間がずっと続けばいいのにな……」
「……うん」
ポツリと呟いた俺の言葉が聞こえていたのか、ノアは小さく頷いた。
それからしばらくの間、二人で雨を眺めていた。
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少し時間が経つと次第に雨は止んでいった。
今は太陽が顔を出そうと、今にも雲から出てきそうな天気だった。


