俺はしきりに降る雨に打たれながら、雨音に耳を傾けていた。
地面に落ちる雨粒を見るノアが少しだけ目を細め、口を開く。
「……200年も見てると慣れるものだね」
隣を見ると、どこか切なそうに話すノアをなぜか放っておけなかった。
「雨の時はこうして打たれていたのか?」
「……そうだね。そんな便利な道具もないし……」
そう言って、俺の手にある閉じられた傘を見るノア。
そして、ノアは空を見上げた。
「……こういうどんよりとした時はなぜか雨に打たれたくなるの」
そう言い、指先を少しだけぎゅっと握った。
ノアの気持ちはわからなくなかった。
悲しい時や苦しい時、泣きたくなった時は俺も雨に打たれたくなる。
雨をぼーっと見ているノアはそんな感情を抱いているように見えた。
無表情だから、俺がそう感じているだけかもしれないが……。


