目を開けると、水色の天井が広がっていた。
ぼんやりとする頭。
どこか気怠さを感じる体。
「ここは…どこ…?」
ふかふかの白いベッドから上体を起こして辺りを見渡す。
白と水色のストライプ柄をした壁紙。
ミルクをこぼしたような真っ白な床。
中央に置かれた丸くて小さなテーブルの上には、三色のカギが置かれている。
私はこんな場所でどのくらい眠っていたんだろうか。
ふと、ベッドのそばに置かれた大きな鏡に私が映る。
この部屋と同じ色合いの、白と水色でまとめられたふわふわなお洋服と靴。
白黒のボーダー柄の靴下。
腰まで伸びた金髪には黒いリボン付きのカチューシャがのっている。
鏡の向こう。
緑色の瞳に見つめられた、見慣れた自分の姿。
その背景にある物を見つけて呟く。
「あれは…扉?」
部屋の左側に赤い扉。
右側に茶色の扉。
そして目の前の壁に、白い扉。
そこで気づいた。
白い扉にだけ、なにか書いてある…。
私はベッドから下りて扉へと近づき、書かれていた文字を読む。
「…“おはよう、アリス”…?」
アリス。
その名前には聞き覚えがあった。
私の名前だ。
確かそうだった…そんな気がする。
「…お家に帰らなきゃ」
きっと今頃、パパとママとお姉ちゃんが心配してる。
私はドアノブを引いた。
…開かない。
そういえば、テーブルにカギがあったよね?
三つの扉と同じ色の、三つのカギ。
それを使えばきっとこの先に行ける。
どの色を選ぼうかな?



