色褪せて、着色して。Ⅷ~スノードロップ編~

 太陽様が帰ってきたのは、それから5日後。
 その日は、バニラが「夕方雨が降るかもしれませんね」と言ったのをキッカケに。
 いつもより早めに散歩に行って。
 戻ってきたときだった。

 家の前に太陽様が座り込んでいた。
 よほど、疲れているのだろうか。
 ぺたりと座り込んで。
 こっちが近寄っても目の焦点が合っていない。
 せっかくバニラが洗濯した騎士団の制服は、
 よれよれになってシワが出来てしまっている。

「今、戻りました」
 普段、はきはきした声で言う太陽様は。
 今回に限っては声がかすれている。
「大丈夫ですか、立てますか?」
 スズメに命じて、太陽様をかついで部屋のソファーに座らせる。
 太陽様は、スズメに「ありがとうございます」とお礼を言ったが。
 手で顔を覆って黙り込んでしまった。

 私はちらりとバニラを見た。
 …絶対に何か嫌なことがあった。
 どう、声をかけていいものか。
「太陽様。こういうときは、身体を清めることが大事ですわ。シャワーを浴びてください」
 バニラの提案に、「えっ!?」と私が声をあげてしまった。
 どうにも、この子は突拍子もない発言をしがちである。
 だが、太陽様はすっと立ち上がって。
「バニラさん、すんません。俺、臭くて・・・」
 とよくわからないことを口にして浴室へと向かった。
「いや、臭いっていう意味で言ったんじゃないと思うけど…」