財閥令嬢の私が、三つ子の不良御曹司に世界を教えられるなんて

朝靄の向こうに浮かぶその館は、まるで大地に根を張った白い巨人のようだった。

リムジンが正門を抜けてから本館の正面玄関へ到着するまでだけでも数分を要し、手入れの行き届いた庭園や噴水を眺めながら、私は思わず窓の外へ目を向けた。

「……大きい」

思わず漏れた呟きに、隣に座る優斗が小さく笑った。

「西園寺家が言う台詞じゃないだろ」

「でも本当に大きいもの」

六花は素直に答える。

西園寺本邸も国内最大級の大豪邸だ。

それでも、初めて訪れた道明寺本邸にはまた違う圧迫感があった。

世界中で事業を展開する超巨大財閥。

その本拠地。

そう思うと少しだけ緊張する。

やがて車が玄関前で止まった。

執事が扉を開く。

六花は小さく深呼吸して車を降りた。

玄関ホールには既に何人もの使用人が整列していた。