財閥令嬢の私が、三つ子の不良御曹司に世界を教えられるなんて

 その言葉は励ましだった。

 不器用な優斗らしい励まし。

 行きたくない気持ちは変わらない。

 けれどそれでも逃げられないことは分かっている。

 ならば、優斗の励ましを無駄にしないように、早くお父様との対面を済ませるだけ。

 私はゆっくり立ち上がってスカートを整えた。

 まるで処刑台へ向かう人みたいだな。

 ふとそんなことを思っていると優斗が苦笑した。

 「そんな顔すんなよ」

 「どんな顔?」

 「世界の終わりみたいな顔」

 「ふふっ」

 優斗が私を笑わせてくれた。