伊織はお昼にラーメンを作った。
お湯を沸かして、ほうれん草をを入れた。
後で人参と一緒に乗せるのだ。
手伝おうとすると、いい、と言われた。
「お客さんは休んでて。」
私は一緒にキッチンへ入って、伊織が叉焼を切るのを見ていた。
「よく作るの?」
私が聞いた。
「わりと。一人のとき多いから」
「料理全然したことないよ」
「簡単だよ。食べたければ他にも作ってあげる」
ラーメンは固めに茹でた。
キッチンのテーブルで、二人でどんぶりを囲んだ。
「結構ボリュームあるね」
「一人分だよ」
あつあつを食べ始める。
ラーメンを食べながら、伊織がさらっと言った。
「朝田さんと居るの、好き。親たちは帰ってこなくていい。」
「そう?」
私が聞いた。
「早く食べないと、冷めるよ。」
伊織が言った。
「僕の好きって言う意味、朝田さんには分からないと思うな。朝田さんにはまだ早いから。」
「恋愛の意味なの?」
私が聞いた。
おそるおそる。
「うん。分かる?」
伊織は普通の声で言った。付け加えた。
「でもいいよ。今はまだ気にしなくて。」
気にするよ。
私は思ったが、言っても大変なのでラーメンを食べ続けた。


