日曜日、そういえばその日はホワイトデーだった。
散らかった机で公共施設についてまとめる宿題をしていた私は、清書をしていたら間違えてしまったので、修正ペンを探していた。
買いに行かないといけないかもしれない。
家からコンビニが近い。
通学路に2つ公園があって、片方の公園からまっすぐ行く道にコンビニがある。
修正ペンは探してもなかったので、上着を着てかばんを持って、私は玄関を出た。
透明なドアを開けてコンビニに入ると見知った顔を見つけた。
真っ黒な髪が目立つ、伊織がコンビニの飲み物のコーナーに居た。
「あ、朝田さん」
店に入ると同時に、伊織が私に気づいて言った。
「偶然。どうしたの?」
「修正ペン買いに来たんだ」
私が言った。
「そっか。僕は昼買いに来た。親留守で。」
伊織はまだ買ってないお弁当を掲げてみせた。
「ここ近くて便利。朝田さんもそう思う?」
「うん」
伊織が言った。
「修正ペンこっちだよ」
棚のペン立てから修正ペンを取ると、一緒に何本かのペンが落ちそうになった。
「昼まだだったら一緒に食べない?何か作ってあげるよ」
伊織がこうやって人懐っこいのに、疑いを覚える自分が居る。
たまに、本当にこれは変な話だが、伊織は私の事を好きなんじゃないかと思う。
だって、普通はそうしない。
「うん」
時々、男子と二人で遊んでいるの自体を自分で不思議に思うが、楽しいのですぐ忘れる。
伊織は性別には拘らないという気が私にはする。(だって、そうじゃないとこうならないから)
そういうものとして回っていて、伊織も特に何も言ってない。


