空に吹く、風の音を教えて。

参拝を終えた私たちは次におみくじを引いた。

毎年引いてはいるけど、なぜか去年まで3年連続で小吉という残念な結果に終わっているから、今年こそは大吉を出したいところではある。


「じゃあ、せーので開けようか」

「うん」

「行くよー、せーの」


私は恐る恐るおみくじを開いた。


「あっ!」


思わず声が漏れた。


「大吉だっ!」

「俺も。今年は幸先良さそうだね。…しかも、待ち人来るだし。変なプレッシャーかけちゃうけど、これは期待してもいいってことかな?」

「えっ…あっ、うん」

「えっ?今、うんって」

「へ?あ、あぁ、無意識で。でも、そんな脈なしとかじゃなくて。あ、えっと、あの、その…」


私がアタフタしてると昊くんの手のひらが私の背中の真ん中に置かれた。

そして、優しくさすってくれる。


「とりあえず落ち着いて深呼吸。大丈夫。俺、信じてるから。自分の気持ちも、ほずみんのことも。ほずみんが今どう思っててこれからどうしたいかっていうことも俺には分からないけど、俺は全部受け止める覚悟出来てるから」

「うん、ありがとう、昊くん」


私がそう言うと、昊くんがパッと花が咲いたような笑顔を見せた。


「昊くんってまた呼んでくれるようになって、ほんと、嬉しい」

「あっ…うん」

「そう。こんな風に少しずつ、会えなかった時間を埋めていけたらいいな」

「そうだね」


待っててくれてる。

少しずつで良いって言ってくれる。

それにどれだけ優柔不断で決断力のかけらもないグラグラな私の心が救われているか。

昊くんには感謝しかない。

でも、だからってずっと甘えていてはいけない。

こんなにも大事にしてくれているからこそ、はっきりとした明確な答えを早く出さなきゃならないんだ。

そのために、私は期限を設けた。

年を越したから、もうあっという間にその日はやって来る。

2月14日、バレンタイン。

この日までに自分なりに考えて答えを出したいと思う。

10月から待たせてしまっている返事をするんだ。

そのために、今は、

昊くんと一緒にいることで生まれる感情をたくさん感じて精査して、この先のことを考えたい。


「あ、あっちで甘酒配ってるみたい。ほずみん、甘酒大丈夫?」

「うん」

「じゃあ、もらいに行こっか」

「うん、行こ」


私は昊くんの隣を歩いた。

ずっと遠かった距離が少しだけ近づいたような気がした。