空に吹く、風の音を教えて。

結局あれから私と昊透くんはお互いに連絡を取り合うことなく、あっという間に夏休みは過ぎ去っていった。

まるで台風みたいに。

しかし、夏休みが明ければ別の台風が近づいてくる。

それは…


「体育祭かぁ。ウチら運動オンチだから苦痛でしかないよねー」


体育祭という名の巨大台風。


「ほんと。3年に1回しかやらないとはいってもしんどいし。やらなくてもいいと思う」

「好きなやつだけやれっての。なんでわざわざこのクソ暑い中炎天下にさらされなきゃならないのか意味不明過ぎ」

お日様がニッコニコの笑みを私たちに容赦なく貫いて来る。

光莉ちゃんと愚痴を言い合いながらテキトーにストレッチをしていると、背後から気温とは対照的な冷え切った声が聞こえて来た。


「文句言ってる暇あんならちゃんと身体動かせよ。そうじゃなくても足手纏いなのに」

「はぁ?」


光莉ちゃんが即座に噛み付く。

やっぱりそうなるよね…。

でもこの人っていつもこんな感じだから諦めた方がいいと思うけど。

私は最初から争うつもりないからもちろんスルーする。

ただでさえ暑いのにさらに熱くなったら熱中症になっちゃうよ。


「苦手なのに参加してるだけ偉いと思うんですけど?!そういうあんたはどうなん?ちゃーんとチームに貢献出来るくらいの能力あるんでしょうね?」


光莉ちゃんのその言葉に彼はふっと鼻で笑った。


「何?」

「もちろん、あるけど」

「じゃあ、ボール全部取ってよね!ウチらを足手纏いのポンコツ軍団にしないようにアシストしてよ!」

「はぁ…うざ」

「何その態度?だいたいに置いて君っていっつもそういう…自分が一番正しいみたいなでぇっっかい態度取ってるけど何様のつもり?」

「何様って、オレはオレが正しいと思うことしてるだけだけのただの男子校生だけど」

「一般ピープルの自覚あんならそれに見合った言動をとれって言ってんの!」


というようにこの後もしばらくお互いにチクチク言い合っていた。

私はそれをBGMとして聞き流しているうちに準備体操をやり遂げた。