小悪魔DOLL【Ⅰ】



あたしはパーカーから手を離して、由依の次の言葉を待った。

振り返った由依があたしの両肩に手を置いた。

由依越しに、カラフルな集団が増大していく。そして、由依は真剣な表情であたしを見据え、静かに口を開いた。



「飛び降りるんだ」

やっぱ、バカだ。

「ふざけてんじゃないわよ!!!あたしの顔に、傷がついたらどーしてくれんのよ!!!!!」

あたしは再び胸ぐらを掴んでグラングランと揺さぶった。

「やーーーーーめーーーーーてーーーーー!!!」

揺さぶられながら、由依が叫んだ。

やめるかぁ!!!!

コイツの言葉を待った自分がバカだった。

本当に最悪だ。

由依と逃げなくてはいけなくなったばかりに、あたしはツルに捕まるんだ。女達はあたしの美貌に嫉妬して、男達はあたしの美貌に欲情するに違いない。あたしの身に危険が迫っている事は、確かなんだ。


「由依くん、捕まえたっ!」

ツルの手が、由依の肩にかけられた。

その光景を見て、あたしの体は固まった。

……終わった。