小悪魔DOLL【Ⅰ】



「コイツ拘束プレイが好みらしい。次はお前が、本当の餌食にならないことを願うよ」

斗愛くんの言葉が全く聞こえないように、里央くんは反応すらしなかった。

「優空は、どこ行った?この時間に来るように、伝えてあったはずだぞ」

「あと5分で事務所につくと連絡があったのですが、それから連絡がとれません」

「スキャンダル王子も変態プレイに怯えて、逃げ出したんじゃねーの?利口な考えだよ」

唯一自由に動く頭をぐらぐら動かす斗愛くんに冷たい視線を送る里央くんを見て、俺はため息をついた。俺が担当していた時より、彼らの関係は悪化しているように見えたからだ。

「まぁ、いい。お前らを呼び出した理由は、1年前に伝えたグループ【HEAVEN】としてのデビューに関してだ。このプロジェクトに大幅な変更があった」

「あー……、そんなグループあったか?」

アイドルグループ【HEAVEN】のメンバーは、悪魔系アイドルTOA・天使系アイドルRIO・王子系アイドルSORAで結成され、半年前にデビューするはずだった。それが一つの事件が起こり、デビューは取り消しとなった。

そして、王子系アイドルSORAは無期限の活動停止になった。


俺はあの時の出来事を思い出し、強く拳を握った。

あの時、担当していたマネージャーは俺だった。

あの頃を思い出すと、胃がキリキリと痛むんだ。

あの時の優空くんの表情を思い出すと、胸がヒリヒリと痛むんだ。


「【HEAVEN】のメンバーは総入れ替え。前回メンバー候補は白紙とし、次回のランキングの結果上位メンバーを【HEAVEN】の候補とすることに決まった」

しんとした。

会議室は静まり返り、誰も物音一つたてなかった。